VIOL family

ヴァイオル(英)、ヴィオール(仏)とは、現在一般的にヴィオラ・ダ・ガンバ(伊)- 脚のヴィオラ(ヴィオラとは弦楽器の総称)- と呼ばれる擦弦楽器の一種です。その名のとおり両脚に挟んで奏されるこの楽器は、 中世からバロック時代のヨーロッパで使用されていましたが、ヴィオローネ (コントラバスの先祖)以外は音量が大きく華やかな音色を持つ ヴァイオリン属に駆逐されてしまいます。
音域の違う同属楽器で合奏するコンソートと 呼ばれるスタイルが王侯貴族から庶民の間まで広く愛好され、 ソロあるいは通奏低音楽器としてももてはやされたこの楽器は、近年静かな音量と柔らかな音色が再び見直され、 20世紀以降広まった古楽復興運動を象徴する楽器の一つとなっています。
一見我々日本人には縁のないように見えるこの楽器は、宣教師達によって戦国時代の日本にも持ち込まれ、 キリシタン大名や各地の教会で庶民が耳にした記録も残っています。
このページでは我が家のヴィオラ・ダ・ガンバ達を紹介します。

トレブル・ヴァイオル
"Treble Viol" by kazuya sato 2004 Tokyo
トレブルは一般的なヴァイオル・コンソートでのソプラノ、最も高い音域を担当します。 役割としてはヴァイオリンとほぼ同じと考えてよいのですが、この小さな楽器も当然のように 膝に乗せて演奏されます。歴史的には18世紀のフランスでこれよりさらに小さく、音域も 高い”パルデュッシュ・ド・ヴィオール”が現れますがフランス以外では普及しませんでした。

テナー・ヴァイオル
"Tenor Viol" by kazuya sato 1997 Tokyo
ヨーロッパの音楽は、高い音域からソプラノ、アルト、テナー、バスという声部で構成され、 ヴァイオル・コンソート用にもそれに準じた楽器が作られました。しかし、いつのまにかアルトの楽器は 使われなくなり、トレブル、テナー、バスの3種類を組み合わせて 演奏するようになりました(例:トレブル、テナー、テナー、バス)。 ヴァイオリン属ではアルト (一般的にはヴィオラと呼ばれる) が残り、 テナーが消えてしまったのとは対照的です。 声楽においても本来女性の音域であるアルトを男声のカウンターテナーで歌われる例 が増えている事を思えば、両性具有的な音域と言えるのかもしれません。

ベース・ヴァイオル
"Bass Viol" by kazuya sato 1994 Tokyo
ヴァイオル属でソロ楽器として用いられたのは、豊かな倍音を持つベースでした。 ヴァイオル属は、ギターやリュートと同様、基本的に4度(ド〜ファの音程間隔) 間隔に調弦された6本の弦を持ち、ネックにはフレットを巻いています。ところが、 ソロとして用いられたベースは、 倍音の多い音を好んだ17世紀のフランスでさらに低い弦が1本付加され、 多くの独奏曲が作られました。その為、現在製作されている 楽器の多くが7弦となっています。

テナー・ヴァイオル ルネサンス・タイプ
"Tenor Viol" after ciciliano by yoshiharu hayashi 1984
王侯貴族のステイタス・シンボルでもあった当時の楽器達は必ずしも現代のような 画一的な規格品ではなく、自由な形状や多彩な装飾を持つものも数多く残っています。この楽器 は、16世紀ルネサンス期イタリアの製作家チチリアーノのガンバをモデルに作られたものです。


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